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なぜ個室?

個室化・ユニットケアとは?

「個室化・ユニットケア」とはどういうものなのか 今、なぜそれらが要請さているのかを理解しながら「個室化・ユニットケア」を活かした特別養護老人ホームのあり方を展望します。
「個室化」は何のため?
特別養護老人ホームの居室の個室化が求められてきた理由としてまず、入居者のプライバシーの尊重があげられます。加えて、施設全体のあり方として入居者同士や家族、地域の人々との交流まで含めてその人らしい生活が実現できる場を保障する基軸となるものが個室化であると考えられています。
入居者一人ひとりの身の置き所、あるいは一人になれる逃げ場(自分を取り戻せる空間)を保障する事を通じてむしろ他者と交流する意欲がわいてくるのを促す点にこそ個室化のポイントがあるといいかえることもできるでしょう。個室は、孤立・孤独を招くとの心配はまったく逆に人と出会う、あるいは人と交流する意欲を回復するための有効な装置となりうるのです。
「個室」と「一人部屋」
私物を自由に持ち込めなかったり常に何らかの監視・干渉を受けるような部屋ではたとえ一人部屋であっても「個室」とは」呼べません。同室者とのトラブル回避などのために保護室的に設けられてきた一人部屋についても同様のことが言えるでしょう。
廊下とリビング
個室化することによって他者との交流が促されるためには「部屋を出たら、目の前に交流の場がある」という環境が求められます。つまり、一般の住居で居間が家族のくつろぎの場となるように個室に隣接した生活空間としての共用スペースがなじみの入居者同士が気楽に集える場として機能する必要があります。具体的には、いくつかの個室が共用空間としてのリビングを取り囲むような構成が考えられるでしょう。入居者は、このような身近な共用空間で小グループの自然発生的ななじみの関係を形成しながら安心して過ごせる場を獲得します。そのうえで、さらに大きめの人の輪の中で次第になじみの関係を広げていくことが可能になります。個人的な領域から公共的な領域へ至る段階的な空間構成がハードの力として、そうした交流を後押しします。