地域の中で新たな福祉の担い手になるためには
事業計画の中で「地域の中で新たな福祉の担い手となる」と長期目標に掲げている。
社会福祉法人として、どのような方向に向かっていくか考えてみたい。
6月に、近隣の施設において千三地区の自治会長、民生委員、地域包括、社協、
高齢クラブ会長、施設長等が集まり、シンポジウムが開催された。そこで地域の抱
える問題が浮き彫りになった。・年々、増加する高齢者の 把握が難しくなってき
ている。(民生委員)
・マンションなどでコミュニティを作ることがます ます困難になってきた。 (福祉委員会)
・実際に入居するまで介護サービスへの関心があまりなく、いざとなった時は
入院していた病院に介護サービスの情報を聞いていた。(高齢者クラブ)
・ショートステイや入居の違いがわからない人も多い。(自治会長)
・独居の方について、これまで近隣で関わっていても、家族等が、施設や介護サー
ビスを決めるので支援が難しい。
・孤独死や、自宅で発見さ れ救急搬送された事例があり、こういう事態を何
とか避けたい。等の意見 が出た。 この中には、地域の中で新たな担い手とな
る為のメッセージがたくさん含まれていると感じた。
ちくりんの里としても、今まで以上に施設や、専門性を生かして、今後、地域の
中でどのように貢献していくか模索中であり、今地域の中で何が求められている
かを探っていきたい旨を伝えた。
全国的に独居老人や、老老介護の割合が多くなっており、吹田市でも75歳以上の
高齢者が現在22.9%で、増加の一途にある。
ちくりんの里の開設時から今までの入居前の所在の統計を取ってみた。
在宅から直接入居された方がやはり一番多く45%。 次に多かったのは、介護老
人保健施設からのご入居で27%。病院が17%。ケアハウスが5%。他施設
(有料老人ホーム等)いずれにしても高齢になってから住み慣れた居住空間からの
転居は、本人にとってもご家族にとっても苦渋の選択であったと思う。 厚生労働
省が毎年行っている国民生活基礎調査では、介護が必要になった主な原因として
昨年初めて認知症が、要因のトップとなりそれに続き脳血管疾患、高齢による衰
弱とある。このような現状のニーズを踏まえ、私たちが、福祉の原点に立ち返り
施設として、法人として、どのように地域に貢献していくか、そしてどこに向か
って行くかを整理していく必要がある。 存在している箱モノという物的資源と、
潜在している能力が有効的に行使できるように努めたい。
施設長 片村元